上野戦争紀行

お盆連休だ!

 2008年8月10日。お盆休みという事で、日本史探偵団の仲間を集い上野戦争古戦場巡りを行った。これはその簡単なレポートである。
 コミケも近く、お金はあまり使えない。そんな訳で、「ここならすぐに行けるから、いつでも見れる」と油断して、まだ見ていない上野戦争古戦場を見て廻った。紀行などと大層なタイトルが付いているが、まぁ「近い所に遊びに行った」という感覚であるな。


 まずは、まいどおなじみの松坂屋である。新撰組の鬼副長土方歳三が、若い頃に丁稚奉公し、女中を孕ませて首になったという逸話がある。
いや・・・土方の話しは置くとして、上野戦争の時は新政府軍正面攻撃部隊となった薩摩藩兵が陣取った所だ。


 松坂屋手前から上野のお山を望む。この附近に三枚橋があり、この橋を挟んで彰義隊と新政府軍は射撃戦を行ったという。


 彰義隊が陣地を作ったであろう場所から、新政府軍の陣地のある松坂屋を見る。
松坂屋のビルが遠くに見える。この附近に有名な「黒門」があり、上野戦争最大の激戦地となった。


 ご存じ西郷隆盛像のある上野公園の広場である。
ここが山王台と呼ばれた場所で、彰義隊の砲陣地だった。ここから新政府軍に向け激しく砲撃を加えたらしい。


 西郷さんの銅像だ。
 その目線は皇居を向いている。ちなみに靖国に立つ大村益次郎像は、上野のお山を睨んでいる。
そう彼らはずっと「見つめ合っている」じゃなくて、睨み合っている格好になる・・・。
 仲悪そ〜・・・。(注;結果的にそうなっているだけで、意図的にそう建てられた訳ではない。)


 この広場には、彰義隊戦死者の墓もある。これはその横に立つ碑である。
 (お墓は拝むもので、写真で見せびらかすものではない。
という方針なので、お墓の写真は撮っていない。)


 不忍池の写真。ハスばっかりで水が見えない・・・・。ハスは、泥水の中から伸びて水面に綺麗な華を咲かせる。仏教では、泥水を汚れた欲望と見立て、その中から出て花を咲かせるハスに悟りを見る。その為、ハスは尊い花であり、仏様もハスの上に座っている事が多い。これは邪教とされた真言立川流に通じる所があり、立川流では欲望の中で悟りを得ようと考えた。その結果「女の子とHしながら、性欲に溺れて果ててはいけない」という荒行を行う宗教だったらしい。が、んな事できるわけもなく、Hする口実に使われた為、邪教指定を受けた。そりゃそうだわなぁ・・・。


 三菱財閥を築いた岩崎弥太郎の一族の家、岩崎邸に向かった。
いろんな洋式を取り入れた建築らしく、外国人から見ても変な洋館なのだそうだ。


 岩崎邸を背面から見てみる。
一階と二階の柱の形が明らかに違う。これが違う洋式を組み合わせた結果なのだそうだ。


 根津駅を下車し、現在の東叡山寛永寺へ。


 現在の東叡山寛永寺の根本中堂。昔と今では寛永寺の位置が違うので、ここは彰義隊の本陣ではない。


 寛永寺境内にある上野戦争の碑。


 寛永寺から寛永寺山門を見ようと移動中に出くわした「因州鳥取藩池田家屋敷の表門」。
重要文化財なのだそうだ。


 旧寛永寺山門。上野戦争で燃えず、関東大震災や東京大空襲でも焼けなかった。
現在は輪王殿前に移築され現存。当然重要文化財指定されている。

 実は、上野戦争背面攻撃の戦場となった団子坂もみようとうろうろしていたのだが、道に迷ったり見つけられなかったり・・・夏の暑さもあって挫折してしまった。そんな訳で、みんなと見て廻ったのこ日は、これで引き揚げとなる。調査不足でゴメンナサイ・・・・

 で・・・・10日はこれで終わったのだが、その2日後の12日・・・、私一人で団子坂を探しに行く。だって・・・暇なんだもーん!。みんな仕事やらなんやらで遊んでくれる人がいないんだもーん。そんな訳で、ここから私のぶらり一人旅である!。私は自慢ではないが方向音痴である!だから、一人旅なんてやったらどうかるか・・・。


 前日に地図を調べてみたら・・・・団子坂は根津駅ではなく、千駄木駅を下車した所にある事が判明。
さっそく、千駄木駅を降りて団子坂へ・・・・ついた場所は根津神社だった!。わはー!道間違えた!!


 せっかく来たので、根津神社も見て廻る。この神社は上野戦争と無縁ではなく、寛永寺背面から攻撃した新政府軍が彰義隊の頑強な抵抗の前に疲れ果て、休息場所に使ったのがココ根津権現で、現在は根津神社が建つ場所なのだ。この写真は根津神社の門を写した一枚。


 根津神社拝殿。この奥に本殿があると思われるが、神域への立ち入りは禁止である。
根津神社の社殿は重要文化財となっている。


 根津神社敷地内にある乙女稲荷。神聖そうで、でも妖怪とか出てきそうな雰囲気が好きです!。


 思わず鳥居のトンネルをくぐって稲荷社へお参りする私。


 良い雰囲気ですなぁ。これで巫女さんなんかが出てきたら萌えてしまうぞ!居なかったけどね(泣)


 えー、スタート地点の千駄木駅に戻り、横を曲がったココが団子坂。現地名は団子坂下といい、坂の一番下になる。


 坂を登ってみた。登り切った台地の上が新政府軍背面攻撃隊(主力は長州兵)の攻撃開始位置になる。


 坂を登り切った所。ここが長州兵の陣地と思われる場所。
現地名は団子坂上というそうだ。そのまんまやんけと突っ込まないでね。


 団子坂中腹あたりから、天王寺台地方向を望む。
遙か彼方が高くなっている。あそこが天王寺台地で昔は天王寺の敷地。そして彰義隊が陣を敷いて防禦した場所でもある。長州兵は団子坂の上に陣取り、そこを下って現在の千代田線千駄木駅がある谷底を通過し、三崎坂を登って彰義隊の拠点となっている天王寺へ進撃した。


 長州兵が登った三崎坂。ここが背面攻撃の激戦地で、長州兵と寛永寺背面を守る彰義隊との間で激しい戦いが行われた場所。


 三崎坂中腹から団子坂方向を望む。遠くに見えるビルが建つ台地が団子坂上で、長州兵が陣取った場所になる。現在は開発され商店街とビルに囲まれて視界が悪いが、幕末当時は一面の田圃で見晴らしが良かったらしい。でも彰義隊総攻撃の日は雨であり、田植えの時期も重なって田圃には水が張ってあってある上、川水が氾濫まで起こして一面水浸しの低湿地状態だった。この為、見晴らしの良いのに道なり進むしかない隘路となり、長州兵は大苦戦して午前中は前進不能に陥ってしまっている。


 三崎坂にある天龍院。ここには蘭方医伊東玄朴のお墓がある。
お墓は写真に撮らない主義なので、見たい人は直接行ってくださいませ。


 このあたりに妙法寺があり、そこに彰義隊が陣地を構築したらしい。
もちろん遺構があるわけではないが探してみた。でもこのあたりは寺、寺、寺の寺だらけ。どうも妙法寺は別の寺の境内を通って行く以外に方法がなさそうなんだけど、昔と違って現在は、寺の敷地はブロック壁で囲われ、行ってみたら行き止まりだらけ。まるっきり迷路で行く事ができない・・・。地図にはあるから行く方法があるはずだが、もうわからん・・・挫折。で、途中で大名時計博物館なる怪しげな建物を発見し、近寄ってみると勝山藩下屋敷跡だった。博物館には入らなかったけど。


 三崎坂を登り切り、一路天王寺をめざす。谷中霊園を突っ切る事になる。
てくてく歩いていると、徳川慶喜墓の案内板に出会う。ええ?!。
見てしまったからには行かねばならぬ。


 谷中霊園の墓地の中を行く私。墓、墓、また墓の墓だらけ・・・。
ともかく進むと、幕末の公卿大原重徳のお墓があった。この写真は、墓の横に立つ碑である。


 墓の森を抜け、なんとか徳川慶喜墓所へたどり着く。手を合わせる私。写真はご勘弁。
そんなわけで、この写真は慶喜墓所横に立つ看板を写した一枚。
ここまでは良かったが、帰り道をすっかり忘れ、墓の佐幕で霊園を出られなくなる私・・・。だから方向音痴なんだってば!。墓の中を放浪する私に、慶喜公は見るに見かねて道を指し示してくれた・・・かどうかは知らないが、なんとなくこっちかもと進む・・・。すると私の目の前に「高松綾雲墓」が・・・。ちっがあぁぁう!出口に行きたいんだあぁぁ!!。でも谷中霊園には雲井龍雄の墓もあり、渋沢栄一の墓もありとちょっと洒落にならない人達のお墓がある。興味のある人は行ってみるといいでしょう。


 谷中霊園を突っ切った所にある現在の天王寺。たぶん幕末期から位置は動いているのだろうが、幕末当時の天王寺は彰義隊の一大拠点となっていた。ちょうど寛永寺の背面に位置し、寛永寺と天王寺にまたがる広大な寺敷地の台地がいわば彰義隊の城となっていた事になる。


 天王寺境内に入り、お参りする私。長州兵が三崎坂を突破し、天王寺に攻め掛かった時には、彰義隊はすでに逃げ散った後だったらしく、天王寺は戦わずして占領された。天王寺は放火されてしまったという。


 天王寺境内にある天王寺大仏。台東区の有形文化財に指定されており、江戸の名所の一つとなっている。この大仏も上野戦争の戦火を免れたのだろう。その横には「世界が平和でありますように」の文字が書かれた立て木がある。


 天王寺裏手は谷底になっており、谷底にはJR日暮里駅がある。
天王寺裏手から日暮里駅に向かう坂が紅葉坂。写真に見える屋根は日暮里駅だ。


 紅葉坂の下ったところから天王寺を望む。ココは日暮里駅の二階部分で、実際はもっと下。というか天王寺の背面は崖である。そのまま日暮里駅に向かい帰路についた。

 こうして上野戦争背面攻撃の古戦場を巡ってきた。すでに開発されて当時の面影は無いものの、団子坂から三崎坂といった大きな起伏地形はそのまま残っており、なかなか面白かった。今回は幕末上野戦争史跡めぐりと限定して廻ったが、範囲を広げて文学の世界に目を向ければ、夏目漱石などとも関係した土地柄らしく、かなり面白い地区であると思う。

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